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ちょっと前の夏休み 八丈島vol.1

2008年9月

この年の夏休みは、代休や有給も会わせて12連休あった。

自転車に、テントを含めたキャンプ道具を満載して、東京見物に出かける予定を立てていた。
とは言っても、銀座や浅草に行くのではなく、海を渡った伊豆諸島をブラブラしようと考えていた。
大島・三宅島・八丈島・その他の回れそうな島巡りの予定を、仕事で忙しい中調べていたと思う。
確かヘリの料金まで調べた記憶があるので、当時はそうとう疲れていたのだろう。

日程を考えながらルートに迷っていたとき、小笠原諸島も行けないだろうかと考え、父島への行き方を調べてみた。
スケジュール的に、八丈島と小笠原なら期間内に行ける事が分かった。
天候に問題が無く、全ての船舶が予定通り航行するとの条件付きで。

そうと決まれば話は早い。
さっそく会社を抜け出し、近くのJTBへ船のチケットを買いにいった。
たしか、船代だけで7万ぐらい掛かったと思う。
今考えると、普通に海外に行ける金額だね。

八丈島行きの船は、夜に出航なので夕方のまだ明るい頃に家を出た。
東京タワーが見渡せる、いつもの場所で写真を撮った後、日本橋へ向かった。

何となく、日本橋からでないと出発する気分にならないので、遠回りでも橋の袂に来てしまう。
鹿児島へ行ったときでさえ、逆方向なのに来ていた。

竹芝に着いた時には日も暮れていたが、東京湾納涼船なども出ている事もあり賑わっていた。
往路は特2等の寝台だったので良く寝れた。

初日は天気が良く、船上から島全体が見渡せた。
船が着岸する少し前、目的地が見えてくる頃がやたらとテンションが上がる。

八丈島には、港から直ぐの場所に無料のキャンプ場があるので、自転車を組み上げ荷物を置きに行った。

いつもの様に、5分でヒルトンホテルを設営した。

この頃の自転車は、まだハンドルがドロップ化されている。
ROCK5000改 var 2.0だ。
2007年モデルだが、原型がフレームしか無い。
もともとは、ジャイアント グレートジャーニーが欲しかったのだが、メーカーにも在庫が無かったので自転車屋で作ってもらった。
MTBにドロップハンドルを着けるという無理矢理な注文のため、乗りながらの調整で1年越しの完成となった。
タイヤは当初、大島の砂漠を走る予定だったのでブロックタイヤが履かれている。

荷物をホテルに置いた後、8の字に走るルートで島を1周しに行った。
ブロックタイヤとはいえ、荷物を全部降ろしたので軽く走れる。
写真は、八丈空港の前で撮ったが、島で平地はこの辺りだけだった。

コンビニなどは島に無いので、スーパーで昼飯と牛乳を購入。
地産の物があるなら優先する。
八丈富士の中腹にある牧場で作られた牛乳を選んだ。

昼食の後、郷土資料館を見学に行った。
昔は流刑地だった事もあり、罪人が各地から来たため様々な技術や文化が伝わったそうだ。
例えば、島焼酎の製法は薩摩焼酎と同じものだったり、方言も罪人が伝えたものだったり万葉集に出てくる様な古い言語だったりすると説明された。
また、八丈方言は消滅危機言語となっている。

資料館の館長さんに、近くに島で一番古い民家があるから見て行きなさいと言われた。

中は風通しが良く過ごしやすい。
外には倉があるが写真が見つからない。撮り忘れたのかも。
倉は高床式で、南西諸島以南と八丈島にしかないらしい。

この日は管理人のおばさんが居たので、いろんな話を聞いた。
島の日常生活から伝承まで。
丹那婆と言う昔話の内容は、日本のどの地方にも類似した内容は無く、南太平洋に伝わる伝承に似ているらしい。

太古大津波がおこり 住民が ことごとく溺死したとき 丹那婆 という妊婦が ただ一人 船の艪にすがって
助かり やがて生まれた 男の子と 後に 母子交会して 子孫が繁栄し これが 八丈島 と なった
現在 丹那婆の墓 と称されるのは 末吉と大賀郷の二カ所にあるが もとは三根にもあったといわれている

話を聞いている間にも、お茶や果物お菓子が振る舞われる。
それなりに歓迎されていたのかも。

少し長居をしたが、島の南半分も回らなければならないのでおいとました。

この区域では玉石垣を多く見る事が出来る。
もともとは罪人達が作ったもので、中心となる石の周りを六つの石で囲んである。
どの石を中心に見ても、規則正しいパターンとなる。
積み方は簡単だが、同じ大きさの石を揃えるのが手間だっただろう。

三原山側へ登る大坂の頂上から八丈富士を眺める。
絶景ポイントだ。

途中の看板に「裏見ヶ滝」と見えたので寄ってみた。
結構急な坂を下るので帰りが心配だったが。

遊歩道の入り口から5分程歩くと滝に着く。
滝の裏から見るアングルは新鮮。

途中の分かれ道に、為朝神社とある。
為朝とは源氏の「源為朝」で、頼朝の叔父にあたる。
八丈小島で自害したと伝説が残っているらしい。

ついでなので向かってみたが、斜度のキツい階段で丸石が埋め込まれていて少々危険。
踏み外せば下まで滑落するだろう。
この辺りは、サンダルでは来ない方がいいと思う。

遊歩道の入り口向かいに温泉があったが、混んでいたため別の場所へ。
海に近い場所まで降りて来ると、無料の足湯があった。
海を見ながらマターリできる。

元の道に戻ろうとしたが、下ってきた道は距離があったのでショートカットすることにした。
・・・
距離は短いが、斜度が軽く20%以上もある。
MTBのローギアでも登れなかった。
後ろの方で軽自動車がエンストし、立ち往生していた。

本道に戻ったが、後半の道は9割登りだった。
島の東側まで来ると、人気も無くなってきた。
いいかげん登った頃、八丈富士が見えてきた。

「登龍峠」という展望台に到着。
雲が降りてきてしまったので残念だった。
晴れていれば夕日に染まる八丈富士が見えただろう。

ここからキャンプ場までは距離は無いが、写真の通り勾配がかなりある。
下るだけなので楽ではあるが。

のんびりと降り始めたが、後方からバイクが近付いてきた。
V-Γの最終形だった。
つづら折りが続き加速ポイントが無いので、なんとかV-Γを押さえ込む。
後ろで苛立っているのが分かる。が、車重が軽い分こちらはノーブレーキでコーナーに入れる。
少し直線になった場所で、一気に抜かれた。
なかなか面白いバトルだった。奴はきっと自称島一番の走り屋に違いない。

日が落ちる頃、キャンプ場に戻った。
この日は、寄り道をしながら島を一周し110kmほど走っていた。

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